そんなあなたが大好きです







バレンタイン






女にとっても男にとっても、冬の行事の中でクリスマスの次に大きなイベントだ
女子は朝から綺麗にラッピングされた箱を持って
自分が好意をもつ男の所に押しかける


男子は男子で自分の好きな子からチョコもらえるかどうかで
朝からそわそわしている奴が多い
たくさんもらえる奴もいれば、まったくもらえない奴
勝者と敗者にわかれる













今日はそんな日だ









いつものように学校に行く途中政宗と会った







「・・・おまえもう・・・;;」
「・・・無理やり押し付けられた・・・;;」
「・・・・・・大変だな・・・;;;」






むすっとした顔の政宗の手には紙袋が2つ
全部中身はチョコときた
さすが学校内人気ナンバーワン伊達男







「くくく・・・ざまぁねぇな政宗!!」
「HA!そんなふうに笑っていられるのも今のうちだ!!」
「・・・・・・は?」







政宗の行っている事がよくわかってない俺はそのときにゃわからなかったが・・・






学校の校門前






「元親さん!!//これ///」
「アニキー―――――これ受け取ってくだせぇ!!!!!!」
「元親のあにきーーー!!俺からの愛をーーー!!」







・・・・・・うかつだった
学校に行ったら俺を慕ってくれている奴らや、普段アプローチしてこない奴らまでよってきやがる
俺の手には持ちきれないほどのチョコでいっぱいになった







「・・・・・・・・・;;;;;;」
「くっくっくっ・・・ほらよ」
「・・・すまねぇ・・・」






政宗が紙袋をくれた事によって俺の両手にはチョコの山の変わりに紙袋2つ
ちなみに政宗は紙袋4つになっていた
おいおい、朝だけでこれじゃこれからどうなんだ・・・とくに政宗・・・;;;









正直こんなに貰ってもこまる
俺には恋人がいるからだ




猿飛佐助




俺はこいつから貰えればそれでいい
むしろそのチョコしかほしくねぇ
本来なら一番にほしい
だが自分の手にはもう何十個ものチョコ
俺が佐助の教室に行けばよかったんだが、もう遅い
今動こうものならまたチョコが増えるだけである
断ろうにも、押し付けてそのまま逃げていってしまうのでたちが悪い





それに・・・
やっぱり渡しに来てほしい
自分から行くのではなく、佐助の意思で・・・




そう思うのはわがままだろうか・・・








だが、そんな思いとはうらはらに
佐助と会うことはなくとうとう昼休みになってしまった
昼休みは政宗たちと一緒に毎回屋上で飯を食う約束になっている
幸村も、慶次も、元就も、そして佐助も一緒である



このさい昼休みにでもいい
佐助からのチョコがほしい・・・・・・




俺は授業が終わると同時に教室から飛び出した








「お、来たな元親」
「はえぇな政宗、・・・・・なんだそのチョコの山・・・;」
「・・・・・教室じゃ邪魔になるからここに置いてったんだが・・・こんなになっちまった;;」
「いくらお前でもここまでくると気の毒だな・・・・・・」
「ほっとけ・・・」






佐助は・・・まだ来ていない
この屋上は、普段鍵が掛かっていて他の生徒はめったに入ってこれねぇんだ
俺たちは、あれだ、合鍵もっててそれでここに入ってきている






「お、なんだい?このチョコの山は??」
「おう慶次!!」
「はは〜政宗のか!!やるなぁ毎年毎年」
「うるせぇ慶次!!そういうお前はどうなんだ・・・・・・?」
「ははー俺はこの半分もいってねぇよ。いいねぇ青春だねぇ」
「でも毛利からはもらったんだろ?」
「・・・あはははは・・・・;;;」
「貰えなかったのか・・・」





そんな会話をバックに聞きつつ俺は佐助を待った





だがこの後きた幸村、元就に
佐助は熱があって学校を休んでいるいう知らせを受け、俺はショックを受けた





「某が看病をするといったのだが・・・学校行けと追い出されてしまい・・・」
「それじゃ、今佐助は一人で家にいんのか?」
「そうでござる・・・;;元親殿どうか佐助を見に行ってやってくださらぬか?某が行くと佐助が無理に起き上がってよけい風邪が悪化してしまうでござる・・・;;」
「・・・わかった」




しゅんとなってそう俺に頼んでくる幸村にうなずき
俺は急いで佐助の家に向かった



俺は馬鹿だ・・・
佐助が風邪で休んでるのにチョコのことを考えていたなんて・・・
もうそんなのどうだっていい!!
佐助が苦しんでいるのにおとなしく授業なんか受けていられるか!!














「あ〜・・・まいったね・・・」




めったに日頃風邪をひかない自分が
今日という日にかぎって学校を休んで寝込んでるなんて・・・




今日はバレンタインなのに・・・







「ちかちゃんに・・・チョコ渡そうと思ったのにな・・・」







きっと彼は喜んでくれただろう
彼の喜ぶ顔が見たかったから・・・一生懸命作ったのに・・・




朝起きたら、妙に熱っぽく、歩けばふらつく体
念のため熱をはかってみれば38.7の熱
立派な風邪だった
それを幸村に見つかり、無理やり布団に押し込まれ休みにさせられた
看病してくれると言った幸村を無理に学校へ行かせ、今に至る





これじゃぁ渡すどころか、会えもしない・・・






「・・・俺様の馬鹿」





思わず出てくる涙に布団へともぐりこむ




会いたかったな・・・せめて

















ぴちゃっ






「ん・・・・・」





なにやら冷たいものが額に当てられ俺は目が覚めた
どうやらあれから眠ってしまったらしい





「お、起きたか・・・?」
「!?」





その声は・・・



目線を声のするほうへ向けるとそこには
自分が会いたいと思っていた人物がた・・・・・・





「ちかちゃ・・・・・・」
「おっと、起きんなよまだ熱はたけーんだから」
「・・・な、なんで・・・」
「幸村がな俺に頼んできたんだよ・・・佐助の看病してくれってな」
「旦那が・・・・・・?」
「そ、まぁ幸村に言われなくても俺はここにきたがな」





そういいながらちかちゃんは俺の頬に手を当てる





「無茶するなよ・・・」





ほっと安堵したようなちかちゃんの顔・・・
本当に心配してくれてたようだ





「うん・・・心配かけてごめんね?ちかちゃん・・・」
「全然いいぜ?あやまんなよ佐助・・・むしろもっと俺はお前に甘えてもらってほしいぐれぇだからな」
「っ・・・///」
俺の頭を優しく撫でながらそういうちかちゃんの顔は、本当に優しくて
思わず顔を赤らめてしまった
「ちかちゃん・・・あの、これ・・・受け取ってもらえるかな・・・?」
「・・・!佐助それ・・・」





そう、俺が昨日頑張って作ったチョコレート
どうしても渡したかったから・・・・・・





「もらってくれる・・・?元親さん・・・///」
「俺に・・・?」





恐る恐る言う俺に元親さんは一瞬驚いた様な顔をしていたが
次の瞬間・・・





「すっげ・・・マジで嬉しい・・・///ありがとうな佐助!!!///」
凄く泣きそうなでも嬉しそうな顔でチョコを受け取り、俺を抱きしめてきた
結構強い力だったけど、本当に喜んでいるその姿を見て、俺は心の底から渡せてよかったと思った
この顔が見たかったんだ・・・元親の喜んでいる顔が・・・・・・
不器用で単純なあなただけど・・・





でも





とても優しい





私は







そんなあなたが大好きです












END











あとがき
はい、親佐バレンタインフリーです;;なんとか書けたーー!!
こんなんでも貰ってくれると言う方は報告してくれると嬉しいです!
政宗が出張っている気がするのはご愛嬌で・・・;;










おまけ




「・・・元親のやろう・・・チョコ置いていきやがって・・・」
「佐助のも山でござる〜;;」
「凄い量だねこりゃ・・・;;」
「ふん、我はしらぬ・・・」

元親が佐助の所に向かった後
政宗・幸村・慶次・元就は元親・佐助に届いたチョコ+自分達のチョコをどう処理するかに手間取っていたそうだ













コメント

「すろーまいぺーす」の青凪狼さんから頂いた(強奪した)チカサスバレンタインフリーですvv
事前アンケートで佐助の相手は?とあったので、「チカサスで!」と趣味に走って答えていました。
佐助を心配するチカと、頭撫でられて赤くなる佐助が…!!(言葉になってない)
普段はオカンな佐助も、チカにだけは不器用に甘えられたらいいと妄想してる自分には、とってもおいしいシチュです。
校内No.1伊達男の政宗や、何気なく交わされる慶就会話にもウキウキしつつ堪能させて頂きました。

狼さん、素敵チカサスを有り難う御座いました!!



main  Top