ずっと側に・・・














3/14 ホワイトデー






どうしよう・・・







何を渡せばいい・・・







何を渡せば喜んでもらえる・・・











そう悩み続けて今日、ついにホワイトデーが来てしまった・・・
通常ならクッキーやら飴などの菓子やらを渡してやればいい
だが
俺の恋人は男だ・・・
しかも甘い物が好きな誰かとは違い甘い物は好きじゃない・・・







本当にどうすればいいんだ・・・









「はぁ・・・?佐助に何渡せばいいかだと・・・?」
「頼む政宗・・・!!なんかいいアイデアないか?」







パン!と両手を合わせ頭を下げる
朝、いつもより早めに起き政宗の家に直行した
情けない話だが、何も思い浮かばなかった俺は
政宗に助けを求めたのだ






「アホか・・・んなの自分で決めろよ・・・」
「決まんないから政宗の所来たんだろ!頼むって・・・」
「大体今何時だと思ってやがる・・・まだ5時半だぞ!!何で俺がこんな時間に起こされなきゃなんねぇんだ!!」
「・・・いや、だってよ・・・;」
「あと1時間半は寝れたんだ!このちくび!!!」
「な、ちくび言うな!!・・・確かに悪かったと思うけど・・・;;」







俺じゃ思い浮かばなかったんだよ・・・






「・・・・・・A-・・・ったく、とりあえずあがれ・・・」
「・・・すまねぇ・・・」






とりあえず玄関前ではあれなんで政宗は中に入るように俺に促した
なんだかんだで優しいんだこいつ








俺はリビングに案内され、ソファに座った
部屋はきちんとされている・・・政宗らしい
政宗は俺にコーヒーを入れてきてくれた
うまい






「・・・で?・・・お前の中で今まででた考えはなんなんだ・・・?」
「・・・えと、菓子類は佐助はあまり好きじゃねぇから却下で・・・アクセ類もあいつは邪魔だからってつけねぇし・・・」
「・・・指輪は・・・?」
「考えたんだが・・・アクセと同じじゃねぇかなって・・・」
「ふむ・・・」






幸村だったら簡単なんだがなぁ・・・とつぶやく政宗
それなら俺だってわかるよ;
あー・・・どうしよ・・・






「佐助に渡す物〜・・・」
「・・・元親・・・一つ確実な物があるぞ・・・?」
「!!マジか!?なんだ?」
「自分にリボンつけてPresent・・・って冗談だおい!」






まじめにやり始めた俺に慌てて政宗が止めに入る
もう半分やけになってる自分がいた



















結局ほとんど決まらず学校に行く時間になったが
政宗に俺はサボるといい
佐助に送る物を探しにデパートなどを転々と探し回った
だが、一向にいいものが見つからない・・・







あー・・・くそぉ・・・これじゃ佐助に合わせる顔がねぇ






もうすでに日はおち暗くなってきている
それでも俺は探す事を止めなかった
そして・・・







「あ・・・」







とあるショップの前で立ち止まる
俺が見つけたのは指輪だったが
シンプルなデザインのそれが俺の目にちらついた

店の人に尋ねてみるとそれはもうそれだけしか売っていない指輪であり
もう今後出回る事はないという

俺はこれを迷わず購入した














佐助の家に着いたときはもうすでに10時すぎ
インターホンを押すと幸村が出てきた
だが、佐助は夕飯を作るとどこかに出かけてしまったらしい
申し訳なさそうな幸村に気にするなといい、佐助の行きそうな所を考えたが
こんな時間にそんな場所はなかなか見つからない
俺は政宗の家に向かった・・・







「A?こんどはなんだ?」
「っ・・・さすけ・・・知らねぇか・・・っ・・・」
「・・・・・・」







走ってきて息絶え絶えの俺を政宗は無言で見つめる
考えられるのは政宗の家だったし、こいつだったらなにか知ってるんじゃねぇかと思ったからだ








「おまえ・・・今まで何してたんだ?」
「え・・・佐助に・・・送る物を・・・」
「・・・馬鹿か、お前・・・そんなことより・・・」
「あ?」
「なんで側にいてやんねぇんだ・・・こんなとこに居る場合じゃねぇだろ!さっさと帰れ!!」
「え、でも・・・」
「佐助はお前の家に居るはずだ・・・さっさと行け!!」
「・・・っ」







政宗に言われはっとなった俺は一目散に家へと走った
そうだ・・・自分の家のことを完全に失念していた・・・









家に着くと真っ暗だった・・・
だが、鍵は空いている
玄関には見慣れた靴が一足・・・






「っ・・・さすけ!!」






急いでリビングに向かうと真っ暗な中窓の外からの光が差し込んでいて
その光の中佐助が一人座っていた







「・・・・・・・・・おかえり・・・・ちかちゃん・・・・・」
「・・・っ・・・お前なんで・・・」
「遅かったじゃない、学生がこんな遅くまでいけないんだ」
「携帯にでも連絡すればよかっただろ!!なんで・・・こんな・・・」
「・・・・・・・・・」
「電気もつけないで・・・俺の家で・・・・・・」
「・・・・・・たかったから・・・」
「・・・・・・え?」










小さな声でささやかれた言葉は聞こえなくて
俺はもう一度聞き返す
佐助は泣きそうな顔でこういった








「・・・だって、直接会いたかったから・・・待ってたかったから・・・」
「っ・・・」
「ここに居れば元親は帰ってくるでしょ?」
「・・・・・・」
「だからここで待ってた・・・」
「・・・っ佐助・・・」








俺は佐助に抱きついた
その身体は何もつけずに待っていたせいか冷たくて・・・
俺は、今までの自分の行動に後悔した









そう佐助は一緒に居るだけで良かったのだ・・・
それが佐助が望んでいた事・・・








「ごめんな・・・」
「いいよ、伊達の旦那から俺理由聞いてるから」







あぁ・・・だから政宗が佐助の居場所知っていて
あんなに怒っていたんだ・・・









「・・・これ・・・」
「・・・え?」
「・・・いらねぇかもしれねぇけど・・・一応ホワイトデー・・・」
「・・・指輪?」
「おう・・・目に止まったから・・・それ、受け取ってくれるか?」







元凶の物だから渡すのが戸惑われたが・・・突っ返されるの覚悟で佐助に渡す
佐助はそれを見て一瞬驚いたように目を見開き
そして嬉しそうに微笑んで








「ありがとう・・・元親・・・//」
「っ・・・」
「大切にするね?//」








謝っても謝りきれないと思った
こんな日に寂しい思いをさせてしまって・・・








「佐助・・・愛してる・・・」
「うん、俺も愛してるよ・・・元親・・・」







接吻を何回も交わし
佐助を確認する







「今日はもう離さねぇ・・・」
「・・・今日はもう終わるよ?」
「いや一生離さねぇ・・・」
「それは、ちょっとまいったなぁ・・・//」








ギュッと佐助を抱きしめそうささやく俺に
佐助は困ったように、でも嬉しそうに顔を摺り寄せてきた・・・









寂しい思いをさせてしまったけれど・・・








もうこんな事はねぇように








お前の側にずっといるな・・・・?
























END











あとがき
はい、親佐バレンタインフリー小説の対になるホワイトデー物です;;
なんとか書けたーー!!12:00になるまで忘れてた・・・;;
また政宗が出張っている気がするのはご愛嬌で・・・;;
やたらと長くなってしまった・・・;一応フリーです・・・;











おまけ



「・・・ちかちゃん・・・?」
「あ?なんだ?」
「なんで服を脱がしているのかな・・・?;;」
「いや・・・寂しい思いをさせちまったしな・・・」
「・・・・・・いや・・・まぁ確かに寂しかったけどさ・・・;;」
「身体もこんなに冷えきってるし・・・」
「・・・いや・・・あの・・・;;」
「だから身体で温めてやろうってな・・・・・・」
「いやー!!ちょいと待って!明日学校・・・;;」
「休めばいいだろ?」
「さ・真田の旦那が心配して・・・」
「途中で連絡したから問題ない」
「・・・・・・;;」
「いやか?」
「・・・・・・っ///」




翌朝



『学校、俺も佐助も休みだからよろしくな、政宗!』



案外俺が言ったので当たってたじゃねぇか・・・と
元親からの電話でそう思った政宗だった





















コメント

狼さんから頂きました、チカサスホワイトデーフリーですv前回のバレンタインの対の お話。
佐助のために走り回るけど、気付いてチカ!モノなんて必要ないから佐助の側にいてあげて。 一人で真っ暗な中待っている佐助が切なくて愛しくて…!もうぎゅうぎゅう抱きしめてれば いいよお互いに(妄想はいいから)。
切なくラブな二人と、何だかんだと面倒見のいい政宗にニコニコにやりとしつつ、美味しく頂きました。

狼さん、素敵チカサスを有り難う御座いました!そして、大変遅くなってすみませんでした!!(土下座)。




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